＜はじめに＞

　「肘の内側が痛む」「ドアノブをひねるだけで痛い」「何かを握るとジンと響く」
そんな症状でお悩みの方はいませんか？それはもしかすると“ゴルフ肘”かもしれません。
正式には「内側上顆炎（ないそくじょうかえん）」と呼ばれるこの症状は、頻繁にゴルフをする方だけでなく、実は日常動作の繰り返しによっても起こる身近な疾患です。

　整形外科や整体で「肘の使いすぎですね」と言われ、湿布や肘周囲のマッサージだけで済ませてしまっていませんか？
確かに、湿布や痛み止めで一時的に痛みが楽になることもあります。

しかし、「すぐに症状が再発する」「完全には痛みが引かない」という方も多いのではないでしょうか。

　このブログでは、ゴルフ肘の症状や原因、なりやすい方の特徴に加え、なぜ“肘だけ”を治療しても根本的な改善には至らないのかなど詳しく解説します。現在肘まわりの症状にお悩みの方だけでなく、スポーツや力仕事をされる方、姿勢の悪さに心当たりのある方にとっても役に立つブログになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

＜ゴルフ肘の症状＞

　ゴルフ肘（内側上顆炎）は、肘の内側が慢性的に炎症を起こす疾患です。
主に、肘を曲げる「前腕屈筋群」というグループの筋肉の作用で、肘の骨の内側(内側上顆)に過度な負担がかかり発症します。

　具体的な症状には、次のようなものがあります。

• 肘の内側を押すと痛い
• 握る動作やタオルを絞る動作で痛みが出る
• ドアノブを回す、カバンを持ち上げる動作がつらい
• 手首を反らせると肘が痛む
• 安静時でもジンジンするような違和感がある

　最初のうちは軽い違和感程度の症状でも、放っておくと徐々に日常生活にも支障が出てきてしまいます。

 

＜ゴルフ肘の原因＞

　一般的に「使いすぎ」が原因とされるゴルフ肘ですが、実際には単に“肘の酷使”だけではなく、“身体全体のバランス”や“使い方のクセ”が大きく影響しています。

　肘の屈筋群は、手首・肩・体幹とも連動しており、例えば以下のような要因が複合的に関係します。

• スポーツや日常動作でのフォーム不良（特に肩や手首）
• 猫背や巻き肩など姿勢の崩れ
• 骨盤や脊柱の歪みによる上肢の負担増加
• 筋膜の滑走不良や筋連鎖の乱れ
• 呼吸や体幹の安定性低下による代償動作

　つまり、肘はあくまで「最終的に痛みが出た場所」にすぎず、実際の原因は「肘の動きを支える全身のアンバランス」にあるのです。

 

＜ゴルフ肘になりやすい方の特徴＞

以下のような方は、ゴルフ肘のリスクが高いといえます。

• ゴルフやテニス、野球など腕を振る動作を繰り返す
• 重いものを持つ作業が多い（大工、配達、介護など）
• 長時間のPC作業やスマホ操作
• 猫背・巻き肩などの不良姿勢が習慣化している
• 腕だけでなく、肩や背中にも疲れや違和感がある

　特に、日常生活や仕事での、「同じ動作の繰り返し」に、「姿勢の悪さ」が重なることで、ゴルフ肘を引き起こしやすくなります。

 

＜モデルケース＞

　次に、肘の症状で当院にご相談くださった患者様の例を紹介します。

ゴルフ肘の症状や、当院での治療について具体的にイメージしていただければ幸いです。

【50代・男性】

　数か月前から続く肘の痛みで来院。

湿布と痛み止めを処方され、一時的に症状が和らいだが、肘を動かすと再発。趣味のゴルフが出来ないことでお悩みになっていました。
当院での検査で、猫背・巻き肩、体幹の弱化、骨盤の前傾が確認され、
それらが肘への過剰負担を招いていたことが判明しました。

姿勢や体幹、肩の動きを整える全身の施術を１年間頑張っていただき、再発なく快適にゴルフを楽しめるようになりました。

 

＜なぜ「全身アプローチ」が必要なのか＞

　ここまで、肘を治すためには、「肘だけ」でなく全身にアプローチすることが大切だというお話をしてきました。では、肘と全身とは具体的にどう関係しているのでしょうか？

　人間の身体は「部分」ではなく「つながり」で動いています。

この考え方の核となるのが、筋膜連鎖と運動連鎖です。

 

◆ 筋膜連鎖とは？

　筋膜とは、筋肉や臓器を包む薄い膜のことで、全身を“ウェットスーツ”のように覆っています。筋膜は連続しているため、肩の硬さが肘や手首の動きに影響することも珍しくありません。

たとえば、胸の筋膜が縮んでいれば、腕が前方に引かれ、肘を曲げる筋肉に負担がかかります。

　こうした連鎖を理解せずに、肘だけをケアしても「根本的な原因」は残ったままになってしまいます。

 

◆ 運動連鎖とは？

　運動連鎖とは、ある関節の動きが別の関節に影響を与える現象です。
たとえば、股関節の可動性が低下すると体幹を回旋する働きが不十分になり、腕や肘で動きを補うような不自然な動作が生まれ、結果的に腕・肘に負担が集中するケースがあります。

　つまり、全身のバランスと動きの協調性が乱れることで、肘の炎症は繰り返されるのです。

 

＜痛みを我慢すると…？＞

　「少し痛いけど、そのうち治るだろう」と放置していると、人の身体は、その部位を無意識に他の部位でかばうようになります。

　肘の負担を避けようとするあまり、肩や首、腰などに別のストレスがかかり、本来は関係なかった部位にも痛みや不調が広がることがあります。
こうした負の連鎖が起こると、単なる肘のトラブルが、全身の不調に発展してしまいます。

　また、痛みをかばったフォームで動作を続けることで、動き自体のクセが強化され、
治療後も再発しやすくなるという悪循環が生まれます。

 

＜L.A.整骨院が目指す「再発しない身体づくり」＞

　当院では、症状が出ている部分だけをみるのではなく、「なぜそこに負担がかかっているのか？」という根本的な原因にアプローチします。

痛みを一時的にやわらげるだけではなく、再発を防ぐためには、

• 姿勢の改善
• 骨格のバランス調整
• 筋肉の使い方の再教育
• 全身の協調的な動きの回復

といった包括的なケアが不可欠です。

　ゴルフ肘の治療についても、肘だけを診るのではなく、その背景にある動作習慣や体のゆがみを見逃さず、本質的な改善へ導くことが私たちのモットーです。

 

＜セルフチェックと来院の目安＞

　ここまでのご説明で、自分の身体のバランス・クセについて興味を持っていただいた方もいるのではないでしょうか。

　実は、症状がそこまでひどくない段階でも、ゴルフ肘の兆候を確認する方法があります。ご自身で簡単にチェック出来ますので、ぜひ取り組んでみてください。

• 肘の内側(身体に近いほう)を押して痛み・不快感がある
• 手のひらを上に向けて、手首を反らせると肘が痛む
• タオルを絞る、ペットボトルの蓋を開ける動作で痛み・違和感がある

　このような症状が1週間以上続く／動作のたびに気になる／他の部位にも違和感が出てきたという場合は、ぜひ当院へご相談ください。症状が我慢できないほど辛くなってからではなく、早期からの治療・セルフケアが早期の回復につながります。

 

＜まとめ＞

　ゴルフ肘の痛みは、「肘だけ」を見ていても根本的な改善には至りません。
本当の原因は、身体のアンバランス・姿勢・動作のクセに隠れていることが多く、
それらを放置すれば再発リスクも高まります。

　L.A.整骨院では、全身を診ることで、根本から改善し「再発しない身体」を目指す施術を提供しています。

肘の痛みをきっかけに、あなたの身体全体を見直してみませんか？
私たちがその第一歩をサポートいたします。

 

＜L.A.整体・整骨院　前橋院・前橋大渡院で行う施術の流れ＞

①丁寧な問診と検査

一般的な治療院では、患者様のお話をサラッと聞き、そのままササっと施術に入ってしまう院も少なくないと聞きます。

しかしL.A.整体・整骨院では、症状とお悩みに合わせた最善の解決策を見つけるために、施術に入る前にヒヤリングと検査に、しっかりと約30分前後の時間をかけております。

これにより長引く症状の原因を見逃すことなく、根本的な原因となっている部分に適切にアプローチできるようになるのです！

 

②ご説明

全てをお任せしていただくことは嬉しいことですが、どんなに素晴らしい治療でも悪化させる要因があれば繰り返してしまう可能性は高くなります。ですのでまずは、ご自分のお体の状態を知っていただきます。理由は「施術家」と「あなた」が一緒に良くしよう！と思えない限り改善の効果は見込めないからです。

 

③施術

長年の経験と施術の積み重ねによりLA整体・整骨院が作り上げた独自の骨格矯正で、身体の土台となる骨盤や骨格を綺麗な状態に整えます。特に痛みの原因となりやすい骨格や骨盤の状態を整えることで、身体に余計な負担がかかることなく、身体全体の血行なども改善され筋肉も柔らかくなります。これにより元の痛みが取れるだけでなく、痛みが再発しにくいお身体を手に入れることができるのです。

 

④症状ごとに合わせた電気治療をご提案

来院された際は痛みが強く、筋肉にも炎症を起こっている場合がほとんどです。

LA整体・整骨院では、患者様の症状に合わせて使える電気治療器をご用意しております。症状に合わせた適切な電気治療により炎症を抑え、筋肉にも柔軟性を取り戻していきます。これにより筋肉の炎症が抑えられ、痛みが一気に引いていくことが分かると思います！

 

⑤施術後の変化を確認

LA整体・整骨院の施術では１回でも大きく変化が出ることも珍しくありません。

施術後には、患者様と一緒にどれくらい状態が変化しているのかをチェックしていきます。

 

⑥お身体の状態説明と、今後の治療計画のご提案

一通りの施術が終了しましたら、最後に施術後のお身体の状態変化の具合を踏まえたお身体の状態の説明をさせて頂きます。

さらに今後の施術の見通しや通院計画なども分かりやすくご説明させて頂きます。

 

L.A. 整骨院　整体院

前橋院：前橋市南町4-7-7   Tel:027-370-4976

前橋大渡院：群馬県前橋市総社町総社1123-1　Tel:027-254-1154

『ホームページを見た』『ブログを見た』とお電話ください。

またトップページよりLINEからもご予約いただけます。

 

 

＜参考文献＞

1. 日本整形外科学会. 上腕骨内側上顆炎（ゴルフ肘）

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/golfer_elbow.html

1. 平田雅人. 上腕骨内側上顆炎の病態と治療. 日本臨床スポーツ医学会誌. 2019;27(1):27–32.
   　https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsem/27/1/27_27/_article/-char/ja/
2. Schleip R, Jäger H, Klingler W. Fascia: The Tensional Network of the Human Body. Elsevier; 2012.
   　https://www.sciencedirect.com/book/9780702034251/fascia-the-tensional-network-of-the-human-body
3. Kibler WB, McMullen J. Scapular dyskinesis and its relation to shoulder injury. J Am Acad Orthop Surg. 2003;11(2):142–151.  　　　

https://journals.lww.com/jaaos/fulltext/2003/03000/scapular_dyskinesis_and_its_relation_to_shoulder.6.aspx